相続税の未成年者控除について

未成年者控除(みせいねんしゃこうじょ)とは、相続人が20歳未満の未成年者である場合、相続税額から一定の金額を差し引くことができる制度。
遺産額から控除される基礎控除などとは違い相続税額から直接控除されるため、相続財産の額によっては全額控除されることもあり得ます。

未成年者控除の適用条件

未成年者控除を活用するためには、次の4つの要件を全て満たなくてはいけません。

  • 相続や遺贈で財産を取得している
  • 居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者である
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である
  • 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人である

居住無制限納税義務者とは、相続時に日本に居住していた者です。

非居住無制限納税義務者とは、相続人が日本国籍を持っており、海外に在住している場合です。

相続人と被相続人両方が、10年超に渡り海外に住んでいるかがポイントで、いずれかが海外居住10年以下の場合は、「無制限納税義務者」に該当します。

未成年者控除の控除額

(20歳 ー 相続した時の年齢)× 10万円

未成年者の年齢は満年齢で計算され、1年未満の期間は切り捨てます。例えば、15歳5ヶ月の場合は15歳、18歳11ヶ月は18歳となります。未成年者の年齢が低いほど控除額は大きくなり、相続税は安くなります。

未成年者控除の必要書類

未成年者控除を利用するためには、通常の申告書類の他に相続税申告書の第6表「未成年者控除・障害者控除額の計算書」が必要になります。この計算書に未成年者控除の金額を記載して税務署へ提出します。

未成年は相続の権利はありますが、特別代理人がいなければ相続の手続きが行なえません。そのため、誰が代理人かを表す「特別代理人選任の審判の証明書」も合わせて提出します

利益相反行為に該当する場合は特別代理人が必要

未成年者が相続人になる場合には、未成年者の代わりに手続きをする代理人を選定しなければいけません。

特別代理人にふさわしい人

特別代理人は家庭裁判所によって選任された代理人のことを指します。代理される者との間に利益相反関係がなければ誰でも特別代理人になることができます。そのため、相続の場合、同じ被相続人の相続人でなければ親族であっても問題ありません。

特別代理人の選任に必要な書類

特別代理人を選任する際には次のような書類を揃えて提出します。

  • 特別代理人選任申立書
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 親権者(または未成年後見人)の戸籍謄本
  • 特別代理人候補者の住民票
  • 利益相反に関する資料